【高松宮記念】バレンチノ勢い本物だ

 「高松宮記念・G1」(24日、中京)

 短距離王に堂々と挑戦状をたたきつける。ドリームバレンチノは20日の栗東坂路で荒れた馬場をモノともせずに、力強く駆け上がった。先週の坂路で4F51秒9の好時計をマークするなど、状態はさらに上向いている。ロードカナロアとは過去に2度対戦して1勝1敗と五分。大舞台で勝ち越しを決め、悲願のG1タイトルをいただくつもりだ。

 ドリームバレンチノが荒れた栗東坂路で力強くウッドチップを蹴り上げた。先週の併せ馬で4F51秒台をたたき出すなど臨戦態勢は万全。この日は、より末脚に磨きをかけるため「上がりが速くなるように」と加用師は指示した。その言葉通り、後半2Fからピッチを上げると、ゴール前ではひと踏ん張り。4F55秒2‐40秒3‐13秒1で急坂を駆け上がった。松山は「全体の時計は遅いんですが、きょうの馬場ではいい動きだったと思います」と納得していた。

 主戦は大舞台へ手応えをつかんでいる。昨年の函館スプリントSでロードカナロアを負かして重賞初制覇を果たした実績だけでなく、前哨戦のシルクロードSを鼻差とはいえプラス10キロの太め残りでV。「強い競馬をして勝ってくれて、今回がすごく楽しみ」と自信をのぞかせる。強豪相手にも「自分の競馬ができれば、結果はついてくるはず」と気後れはなく、デビュー5年目でのG1初制覇へ胸を高鳴らせる。

 また、開業20年目でのG1初制覇がかかる加用師も思い入れはひとしおだ。かつて自身が管理したバレンチノの母であるコスモヴァレンチは新馬戦‐小倉2歳Sを連勝。しかし、ヒザの骨折のためわずかキャリア3戦で引退した。その初子でもあり「じっくり育てていけば、いつかは大きいところを狙えると思っていた」と頬を緩ませる。「リニューアルされ直線が長くなって、坂もできた中京は、脚質的に合う」と野心満々。世界のスプリント王を再度、“天敵”が撃破する。

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