【高松宮記念】世界のカナロア完璧

 「高松宮記念・G1」(24日、中京)

 世界のスプリント王が満点デモだ。ロードカナロアは20日、栗東坂路で併せ馬の最終追い切りを行い、終始、余裕の手応えで楽々と先着。安田師も思わず「完璧」とうなるほどの動きで、万全の仕上がりをアピールした。スプリンターズS、香港スプリントに続く、史上初のスプリントG1・3勝へ。昨年3着に敗れた舞台で雪辱を果たし、快挙を達成する。

 文句のつけようがなかった。ロードカナロアは栗東坂路で先行するオーセロワ(7歳オープン)を追走する形でスタートを切ると、楽な手応えのままで自ら四肢の回転数を上げ徐々に差を詰める。残り2F手前で並びかけると、一杯に追われる僚馬に対して手綱を押さえたまま。スピードの違いで圧倒した。絶好の動きで4F53秒7‐39秒3‐12秒9。きっちりと1馬身先着を果たした。

 安田師も「完璧に仕上がったし、いい形で臨めます」と最大級の賛辞を与える。調教担当の安田翔助手も「気持ちが乗せられればいいと思っていたし、やれば時計はもっと出そうな感じだった。オーセロワも調教で走る馬ですしね。いい感じでしたし、集中力も高まってきていますよ」と力強くうなずいた。

 今年の始動戦として阪急杯を選択。11戦ぶりの7F戦だったが、その理由をトレーナーは「中京はコース形態も変わり、直線も長くなってハードな舞台になった。今の中京の千二に対応するには、千四をこなせるようでないと」と説明する。レースでは距離延長に戸惑うことなく、5番手から抜け出す横綱相撲で快勝。本番に向けて最高の形でスタートを切った。

 昨秋はスプリンターズS、香港スプリントとG1を連勝。4歳時も圧巻のレースを見せてきたが、今年5歳を迎えてさらにすごみを増してきた。「昨年と比較しても数段パワーアップしているし、精神面の落ち着きもすごい」と、指揮官は心身両面の充実ぶりを口にする。「今はまだ頂点ではない。ようやく80~90%に達したかな」。なお進化を続ける愛馬に、かける期待は大きい。

 「香港を勝って日本のカナロアじゃなく、世界のカナロアになったと思っています。前回は次のレースのためにつくっていましたが、今回は狙っていたG1。昨年、香港で世界のタイトルを獲りましたし、今度は日本でタイトルを獲りたいと思っています」

 国内外から追われる立場となった短距離王は史上初のスプリントG1・3勝へ、また安田師にとっても11年スプリンターズSのカレンチャンから続く国内スプリントをG1・4連覇、フェブラリーSのグレープブランデーに続くJRA・G1開幕2連勝がかかる。昨年3着に敗れて涙をのんだ舞台で、世界を制したスピードを存分に見せつける。

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