【競輪】“京王閣の小悪魔”強く美しく

 強く美しく‐。日本競輪学校(静岡県伊豆市、滝沢正光校長)の103期生(男子36人)、ガールズ2期生の104期生(18人)の卒業記念レースが26、27日の日程で川崎競輪場で行われている(うち男子は2人が欠場)。26日の予選を経て、27日は卒業記念チャンプを決める決勝戦。ガールズ2期生の注目は石井寛子(27)=東京。豊富なアマチュア実績を誇り、満を持してのガールズケイリン参戦だ。ビジュアルにもこだわる“京王閣の小悪魔”に密着した。

 卒業間近とはいえ、まだデビュー前の訓練生徒。それでも石井にはすでに華がある。ファン、生徒の親族らも含めて1200人の来場者を集めた川崎競輪場のバンク。初日の予選ではレースが終わるたびに報道陣に囲まれ、カメラのフラッシュを浴び、キュートな笑顔を振りまいた。

 1年間の厳しい学校生活のなかで訓練競走は48戦44勝。圧倒的な成績を残してきた。「訓練の前期は乗り込み中心。後期は男子とも練習して、かなり強くなったと思う」と自己分析する。高校生から自転車競技を始めて、女子の競輪が存在していないときから競輪選手になることを夢見ていた。5月にプロデビューして、自転車好きな少女だったころのあこがれは実現することになる。

 学校生活の集大成となる卒業記念では初日から脚力の違いを披露。予選3連勝で、27日の決勝へ勝ち上がった。それでも「切れがない走りだった。先行すると言ったのに実行できなかった」と走りを悔やむ。だが、1回戦は2着選手に8車身差をつける大勝。理想の走りができなくても、前評判通りの強さを見せつけた。しっかり勝ち上がったからには気持ちを切り替えて走るのみだ。車番抽選では7番車を引いて「この決勝メンバーで走るときは、いつもクジ運も着も悪い」と苦笑いしたが「楽しんで自分のレースができればいいな」と完全燃焼を誓う。

 卒業後は“京王閣の小悪魔”と呼ばれるきっかけになったギャルメークも封印を解くだろう。まだ髪やコンタクトレンズの色は決めていないというが「とりあえず、お化粧がしたい」といたずらっぽく笑う。派手な外見はサービス精神の表れでもある。一方で競走用のフレームはシンプルな黒一色にこだわった。「走りだけでなく、見た目も面白い方がいい。そのギャップを喜んでもらえれば」。

 ロンドン五輪出場を目標にしていたため1期遅れとなったが、卒業記念女王の“初タイトル”を手にして、デビュー戦を心待ちにする。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

レース最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(レース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス