【ボート】山崎、妻の地元で本領発揮だ
「開設60周年記念大渦大賞・G1」(4日開幕、鳴門)
直前に電撃引退を発表した愛妻にささげる感動の賞金王初制覇から3カ月。全国のボートレースファンを魅了した昨年のMVP・山崎智也が鳴門にやってくる。ボート界の貴公子と称される甘いマスクは39歳になった今でも衰えはない。そのイケメンレーサーが、ひとたびボートに乗ると勝負師に変ぼうする。
賞金王決定戦では、ギリギリの12位で進出したが「(妻に)舞台を整えてもらった。優勝を狙う」と前検日から高らかにV宣言。そしてファイナルでは華麗なまくり差しで断然人気を集めたインの松井繁を撃破。見事に有言実行を果たして優勝賞金1億円をゲット。ピットに駆けつけた、妻で女子のトップレーサーだった横西奏恵さんとレース後に抱き合う姿は、実際のドラマ以上にドラマチックな瞬間だった。
“持っている男”は今年も輝きを放ち続けている。「予選落ちも多いから、あまりリズムはいいとは言えないけどね」と話しながらも、2月のG1・関東地区選(江戸川)では貫禄のV。そして、存在感と勝負強さを改めて見せ付けたのがSG第1弾となった3月の総理大臣杯(平和島)だ。凡機を引き当て序盤は苦戦したが、日ごとに機力を立て直して予選を突破。準優では賞金女王・三浦を道中で競り落として優出を果たした。その準優では展開にも恵まれただけに「(準優は)展開一本ですね。昨年末からツキっ放しですね」と優出インタビューでは会心の智也スマイルも出た。
今回の舞台となる鳴門は、横西さんの地元。そして山崎自身も03年に開催された50周年でG1タイトルを獲得した実績もある思い入れのある水面だ。愛妻がデビュー時から練習を積んできた場所でのG1レースだけに燃えないわけにはいかない。今節は強豪がそろった激戦シリーズだが、大きな舞台になればなるほど力を発揮する男だけに活躍は必至だろう。
3月までは祝勝会などのイベントが続いたが、祝賀ムードも一区切りがついた。「(祝勝会も終わって)ようやくレースに集中できる状態になったし、頑張りたいですね」と、完全に戦闘モードに突入している。50周年を制した山崎が60周年のメモリアル大会も優勝者に名を刻むことができるか注目だ。