【皐月賞】ベストプレイ距離の壁破る

 「皐月賞・G1」(14日、中山)

 スプリングS2着のタマモベストプレイが11日、栗東坂路を軽快な脚さばきで走破。故・保田隆芳氏以来となるレース史上37年ぶり2人目の“騎手&調教師V”を目指す南井師も、野心十分の表情だ。“距離の壁”を克服し1冠奪取を狙う。またこの日、仏国への武者修行を目前に控える藤岡佑が大阪市内でトークイベントに出演。メイケイペガスターで自身G1初Vを目指す一戦へ、意気込みを語った。なお11日に出走馬と枠順が確定。馬券は12日に一部ウインズで前々日発売される。

 大一番に向けて態勢が整った。タマモベストプレイは、ハロー(馬場整地)明けの栗東坂路を気分良く単走。軽く気合をつけられると即座に反応してしまいを伸ばした。4F53秒9‐39秒1‐12秒3のタイムに、またがった南井助手は「理想の追い切りができた。いい感じにテンションを保てている」と納得の笑み。南井師も「ちょうどいい時計。順調に来ているし体調面は問題なし」と、仕上がりに胸を張った。

 万全のローテで挑む一戦だ。間隔を詰めた方がいいタイプだけに、中5週になる弥生賞ではなく中3週のスプリングSを選択。その前哨戦は荒れた内側の馬場を走らされながら、勝ち馬から0秒2差の2着と奮闘した。「競馬らしい競馬ができた」とトレーナーは内容に合格点。長距離輸送をクリアできた点でも、収穫は大きかったようだ。

 課題は距離の克服だろう。自身は1800メートルで結果を出しているとはいえ、全兄姉(タマモホットプレイ、タマモナイスプレイ、チャームポット、タマモトッププレイ)の勝ち鞍は1200~1600メートルが中心。未知となる10Fの攻略が鍵だ。

 「やってみないと分からない。ただ今年は強い馬はいるけど、抜けた存在はいないからね。どの馬にもチャンスがあると思う」。騎手時代に90年ハクタイセイ、94年ナリタブライアンで皐月賞を制している師は、チラリと自信をのぞかせる。血統的な“壁”をぶち破り、力強く1冠目奪取といく。

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