【皐月賞】リチャード速さでねじ伏せる
「皐月賞・G1」(14日、中山)
2連勝中の勢いに乗って戴冠といく。コパノリチャードは12日の朝、栗東の角馬場で体をじっくりほぐすと、坂路で軽快なフットワークを披露。ラスト1Fを15秒4と軽く伸ばして目下の好調ぶりを示した。「追い切り後も状態は特に変わらないです。元気がいいですね」と宮師は目を細めた。
1400~1600メートル戦で4戦3勝、2着1回の安定感。2走前を圧勝後、中距離を試すプランもあったが、あえて同じマイルのアーリントンCへ向かったのには理由がある。「ジョッキー(ビュイック)が“マイルなら絶対に勝てる”と。だから、確実に賞金を加算する意味でもアーリントンCを使ったんだよ。いい内容で勝ってくれたし道が開けたね」とトレーナーは説明。実を取りに行ったことで資格を得た、クラシックの舞台だ。
結果的に10F戦は未知の領域として迎えるものの、大一番に臨む陣営に不安の色は見られない。「もちろんやってみないと分からない部分はあるが、これまでの走りからも距離は十分に持つと思う。コーナーが4つのコースなら息も入るだろうしね」と、師は静かな口調で意欲をのぞかせた。
オーナーのDr.コパこと小林祥晃氏は今週、交流G3の東京スプリントをラブミーチャンで制したばかり。自身に吹く追い風も後押しにしたいところだろう。昨春、ゴールドシップをVに導いた内田博が手綱を握るのも心強い。持ち前のスピードで後続をねじ伏せる。