「皐月賞・Ｇ１」（１４日、中山）

　１番人気のロゴタイプが１分５８秒０のコースレコードＶで３歳牡馬１冠目を奪取。２番人気のエピファネイアは半馬身差の２着に敗れ、母子クラシック制覇はならなかった。

　懸念された気性の激しさを本番でも露呈してしまった。２番人気のエピファネイアは半馬身差２着。４角では絶好のＶパターンかとも映ったが、外に持ち出した勝ち馬の脚勢を上回ることはできなかった。「他馬がそばに寄って来て（ハミを）かんでしまった。２角過ぎまで力んで走っていましたね。（前半に）かんだ分が勝ち馬との差」と福永は肩を落とす。ワールドエースで挑んだ昨年も無念の２着。「残念です」と声を絞り出した。

　０５年のオークスを制した、母シーザリオとの母子クラシック制覇の夢もお預けに。見届けた角居師は「勝たなきゃ、強いとは言えませんから。やはり折り合いですね」と唇をかむ。今後はダービーを見据え、厩舎に置いて調整される。「距離が延びるので、何か工夫をしないと」と、巻き返しに意欲をのぞかせた。

　弥生賞（４着）に続く敗戦。しかし、勝ち馬につけられた差は決して逆転ができないものではないはずだ。福永は「うまく押さえ切れていたら結果は違ったと思う」と前を向く。次は主戦にとって通算１４度目を数える、府中を舞台とする競馬の祭典。改めて相棒の強さを証明するとともに、自らの悲願もかなえたい。