【フローラS】ルビー重賞初挑戦でV

 「フローラS・G2」(21日、東京)

 新星誕生だ。前半は最後方から運んだ1番人気のデニムアンドルビーが、勝負どころで大外をまくって追い上げると直線でも末脚が爆発。器が違うといった内容で重賞初Vを飾った。“活発でおしゃれなお嬢さんをイメージして”名付けられたこのディープインパクト産駒の能力を、初コンビの内田博も絶賛。オークス(5月19日・東京)でもかなり楽しみだ。2着もディープ産駒のエバーブロッサム。3着ブリュネットまでが本番への優先出走権を獲得した。

 鮮やかな滑り込みセーフだった。1番人気の支持に応えて、デニムアンドルビーがオークス出走のラストチャンスを見事にゲットした。最初の2コーナーは最後方でターン。内田博は手綱を動かし、徐々にポジションを押し上げる。この手応えで失速しないのか?と関係者をハラハラさせた。

 だが並の牝馬ではなかった。直線、抜け出しを図る2着馬に体を合わせる。差し返されかけながらも再加速。ラスト1Fが11秒4の流れのなか最後まで勢いは衰えない。終わってみれば完勝だ。

 内田博はテン乗りで100%の力を引き出してみせた。「重い馬場が心配だったけど関係なかったね。折り合いがつき、ゴーサインを出すとスムーズに動く。我慢したいところは我慢ができる。賢い子。切れ味も力もある」と褒めちぎった。

 体質が弱く、カイ食いも細かったためデビューが2月にまで遅れた。3戦目で未勝利を脱出した馬が、重賞初挑戦でV。角居師は「東京へ輸送しても体が減らなかった。前走の前から食いが良くなり、実が入ってきました。胸を張ってオークスに行けます」と本番への手応えを感じ取る。

 それにしても金子真人オーナーは馬運が強い。皐月賞4着のカミノタサハラが故障でダービーを断念。「電話を受けた時は倒れそうになった」と話すが、今週は東京の土日メーン制覇だ。「ダービーは2勝(04年キングカメハメハ、05年ディープインパクト)したから、アパパネ(10年)に続くオークス2勝を狙います」と笑顔を見せる。

 桜花賞のアユサン、レッドオーヴァルに続き、ディープインパクト産駒のワンツー。ジェンティルドンナが5馬身差で圧勝した昨年と同様に、今年も樫の舞台は“ディープ祭り”になりそうだ。

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