【天皇賞】ゴールドG1V4へ視界良好
「天皇賞(春)・G1」(京都、28日)
誰もが安心して見ていられる強さが、ゴールドシップにはある。3角手前で発進、気がつけば好位まで押し上げて直線を迎える。持続するスピードは失速とは無縁。まくって押し切る姿は頼もしいのひと言に尽きる。
昨年の菊花賞はおきて破りの坂下からの発進で勝利。暮れの有馬記念も早めに動いて押し切った。皐月賞と合わせて年間G1・3勝。現役最強の座をジェンティルドンナ、オルフェーヴルと争う3強の構図をつくった。
今年始動戦の阪神大賞典は、十分乗り込んではいたが、見た目にも体に余裕が残されていた。8分の仕上がり。それでも再びまくって勝った。スピードとスタミナを兼ね備えなければ実現しない強さ。須貝師はその背景を「無事是名馬」にあると言う。「脚元に心配がないからね。しっかり調教がかけられる。攻められるし、それにきっちり応えてくれるのがえらいよ」といつも変わらぬ元気な姿に目を細めた。
調整も思惑通り。1週前追い切りとなる17日の栗東坂路では一杯に追われ、迫力十分の動きを披露した。「文句のつけようがないね。有馬記念の時より筋肉がいいところについてきて、体重も少しプラスに出てくるかもしれない。古馬になったね」と指揮官の表情は自信に満ちあふれている。伝統の一戦でも堂々と主役を演じる。