【天皇賞】英の刺客・レッドカドー軽快

 「天皇賞(春)・G1」(28日、京都) 

 英国からの刺客が淀のターフで躍動した。レッドカドーは25日、本番と同じ京都芝でリハーサルを敢行。上がり重点に追われ、軽快に駆け抜けた。来日直前のドバイワールドCでは2着と善戦。実績十分の外国馬が昨秋ジャパンC8着のリベンジを狙う。25日に出走馬18頭と枠順が確定、馬券は26日に一部ウインズで前々日発売される。

 向正面を1F15秒程度で流していたレッドカドーが、京都外回りの下り坂で押されることなく加速する。直線では大外に進路を取り、体幹を気持ち良さそうに伸ばし切った。スピードは目いっぱいにまで上げないが、背中のバネだけでラップを一気に詰めた。ギアの切り替わりは鋭く、ラスト1Fは12秒6を刻んだ。

 国際厩舎から出てきたのは、スノーフェアリー(10、11年エリザベス女王杯を連覇)などの経験で京都競馬場での調整は勝手知ったるトレヴァー助手。「非常に満足のいくものだったよ。馬の見た目も非常にいいし、カイバもよく食べている」と笑顔で好調をアピールした。

 当初24日に予定していた追い切りはトレヴァー助手の木製ステッキが「ノー」の判定を下した。朝一番に馬場に出て芝に突き刺す。24日は思うように先端が入っていかなかった。馬場が硬過ぎたのだ。この日の芝はすんなりステッキを受け入れた。降り続いた雨が、本馬場を稍重まで軟らかくした。かくして追い切りにゴーサインが出た。

 8着に敗れたジャパンCは来日後に追い切りを行わずに臨んだ。今回は暮れの香港でG1タイトルを手にしての再来日。上がりだけ伸ばした控えめな内容とはいえ、追い切りを経て臨める。経験も、調教過程も、当時とは事情が違う。

 「コンディションは非常にグッドだ。JCの時よりもさらに上が見込めると思う。それにあのときは道中の不利で4馬身ほど損をしているからね」。当時、さらに4馬身前にいたとすれば、ジェンティルドンナVSオルフェーヴルのマッチレースには絡めずとも、3着を争っていた勘定になる。

 (7)枠(13)番の枠順については「真ん中あたりが良かったが、距離が長いのでそれほど気にしていない。経験のあるモッセに任せるだけ」と泰然自若だ。この後はシンガポール航空国際C(5月19日・クランジ)への転戦を予定。ピークはまだ先にありそうだが、状態が右肩上がりなのは間違いない。

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