【天皇賞】トリック“庭”でひと花
「天皇賞(春)・G1」(28日、京都)
勝手知ったる自分の庭で、今年も存在感を示すのみだ。最年長11歳馬のトウカイトリックが元気いっぱい。26日朝は栗東の角馬場で体をほぐすと、坂路を軽快なフットワークで駆け上がった。「1回叩いたことで、状態は良くなっていますね」と野中師は好仕上がりをアピールした。
06年の初参戦(9着)を皮切りに、8年連続で挑む春の盾。自身の持つ同一G1最多出走記録の更新となる。7冠馬ディープインパクトの同級生として、今回も各世代のスタミナ自慢たちと手合わせをする。「恐らく、京都のことは俺よりもよく知っているやろ(笑)。いつも、地味にだが稼いでくる馬。サラリーマンの平均年収が300万円台とかいう今の時代に、前走(阪神大賞典5着)も賞金600万円を持ってきたからね。自分の食いぶちはしっかりと稼ぐんだからすごい」と指揮官は孝行馬に目を細めた。
引き当てた6枠11番も、舞台を熟知したトリックにとってはさほど意に介することではない。「道中はうまく内に潜り込んでじっとしていれば。北村(宏)ジョッキーとは手が合うみたいだし、この馬の競馬をすればいいと思う。自分の持っている分だけはちゃんと出してくれる」。07年は勝ち馬(メイショウサムソン)からタイム差なしの3着。それ以上の着順を、古豪中の古豪が虎視たんたんと狙っている。