【天皇賞】ゴールド背信…惨敗5着
「天皇賞(春)・G1」(28日、京都)
最後の直線で上がった悲鳴は、やがてため息と怒号に変わった。2周目の4コーナーで先行集団に取りついたゴールドシップ。いつものまくりで勝負に出たが、ステッキを入れても手綱をしごいても反応は鈍い。直線では進路がふさがる場面もあって、上位馬との差は詰まらず5着に敗れた。単勝1・3倍と圧倒的1番人気に支持されただけに、内田博は「ファンに申し訳ない」と頭を下げるしかなかった。連はおろか、馬券対象から外れたことに心を痛めている様子で「どんな強い馬だって、全部勝つのは難しい。だけど、負けるにしても5着ってのは」と表情を曇らせた。
昨年は皐月賞&菊花賞で2冠を達成し、有馬記念も制した。今期初戦のの阪神大賞典を圧勝。最強馬への道を歩み始めた直後の挫折を、主戦は「山」と表現した。「この山を乗り越えて、もっと強くなってくれたら。こんなもんじゃない」と唇をかんだ。
須貝師は「(前が止まらない)高速馬場では、本来の力を出し切れなかった」と敗因を分析したが、それ以上の言い訳はしない。「フェノーメノは自分の競馬をして勝ったんだから、相手をたたえないと。すぐ後ろの着順(2着)でもないし」。想定外の完敗で次走を明確にしなかったが、宝塚記念へ向かう公算が大きい。オルフェーヴル、ジェンティルドンナ、フェノーメノとの頂上決戦で最強の座をつかむ。