【NHKマイルC】トップ雪辱へ燃える
「NHKマイルC・G1」(5月5日、東京)
前哨戦のニュージーランドTを制圧。3歳マイル王の座を視界にとらえたエーシントップが、いよいよ頂上決戦に臨む。圧倒的な速力を武器にデビューから3連勝。2歳チャンプを目指した朝日杯FSでの敗戦(8着)。そして即座に巻き返したシンザン記念。その過程のなかで、スピードに頼らない走りを学んだ。
ここまで6戦5勝。「勝ちっぷりは決して派手ではないのですが、5勝するというのはなかなかできないことだと思います。ゴール前で少しだけ前に出ればいいのが、分かっているのかもしれませんね」。引き離して勝つタイプではない。だが、勝負に対してはどん欲。西園師は、そこに頼もしさを感じる、という。
ハミなどの馬具、調教方法を工夫することによって、速さを制御できるようになってきたのも大きい。気性の激しさを表に出すことが減り、落ち着きも出てきた。レース前に消耗してしまう不安が消え、精神面の成長が、二枚腰を生む。全てにおいて大人になってきた、ということだろう。
1週前追い切りは、巧みに抑えを利かせながら、弾力性のあるフットワークで栗東坂路を登坂した。「いい動きでしたね。カリカリしたところがなくなって、我慢できるようになってきたのは確かです」。肉体だけでなく、メンタル面も進化してきた、と田中助手は明かす。左回りは2戦2勝で、東京コースも攻略済み。一歩一歩階段を上がりながら、したたかさも身に付けてきた。スキルは既に満載。信じたルートを駆け上がれば、頂へとたどりつく。