「ＮＨＫマイルＣ・Ｇ１」（５日、東京）

　３度目のＧ１挑戦で、初めて臨む記者会見。有力候補のレッドアリオンの取材に応じた川須は２日の会見終了後、緊張から解き放たれると、いつもの屈託のない笑顔を見せた。「先週初めて記者会見に臨んだ（同期の）高倉が“緊張した”と言っていました。やはり人の多さに圧倒されましたね」。

　それでも、史上４番目の速さで２００勝へリーチをかけた２１歳の表情は、堅苦しさもなく、Ｇ１の雰囲気を楽しんでいるようにも映る。「変な癖はない馬。レースはいつも通りの気持ちで乗れると思います」。主役はあくまでも馬。頼もしい相棒がいるからこそ、心地よい緊張を感じながら大舞台へ挑める。

Ｖイメージ　４月２８日の東京８Ｒでチキウミサキに騎乗し、東京コース２８戦目にして待望の初勝利。Ｇ１と同舞台の芝１６００メートルを攻略して、Ｖのイメージを膨らませた。馬場状態もチェック済み。「なかなか前が止まりませんね。でも僕の馬は攻める競馬もできるので。操縦性は高いし、左回りも輸送も大丈夫。自信を持って乗ります」。勝利の二文字だけを見つめる澄んだ瞳は、一点の曇りもない。

　決戦前日の４日は新潟で騎乗。有力馬がズラリとそろい、大台突破の期待は高まる。「新潟で決めて勢いをつけてＧ１へ臨むのもよし。格好良くＧ１で決めるのもよしですね」。２００勝達成＆Ｇ１初制覇のダブル獲りへ‐。次世代を担う若武者は貪欲（どんよく）に突き進む。