【オークス】オーヴァル赤い稲妻だ!
「オークス・G1」(19日、東京)
桜花賞2着のレッドオーヴァルが15日、栗東CWで切れのある動きを披露した。出来は確実に上昇。万全の状態で樫の舞台に臨む。トーセンソレイユも同じく栗東CWで俊敏な動き。ディープインパクトの異父妹が巻き返しの態勢を整えた。
赤い稲妻が、馬場を真一文字に貫いた。桜花賞で2着に敗れ、雪辱に燃えるレッドオーヴァルが、赤い服を身にまとったC・デムーロを背にして、栗東CWで切れ切れのアクション。6F86秒2‐39秒2‐11秒8を馬なりでたたき出し、併せたフレデフォート(6歳1000万下)に1馬身半先着した。
「ベリーグッドコンディション。前回乗った時(チューリップ賞7着)は体調が戻りきっていない感じだったが、きょうはいい感触を得ました。いい気分でレースに臨めます」。鞍上は、端正な顔を緩ませて、絶好調であることを伝えた。
スタートして数秒は首を下げて行きたがったが、馬の後ろにつけた途端、平常心を取り戻す。いかにもはじけそうな手応えで直線に向くと、手綱を緩めただけで、併走馬をかわしてフィニッシュ。しびれる動きに興奮した鞍上は、ゴール直前でポンポンと馬の首を軽くなでた。
安田師は「前走後はすごく順調にきている。馬自身に活気があふれているし、桜花賞よりもいい状態にありますよ」と自信の笑みを浮かべた。まだ冬毛が生えていた前走と比べて、馬体の張りも明らかに良化している。仕上がりとしては万全に近い。
C・デムーロにとってはアユサンで制した桜花賞に続く、牝馬2冠が懸かる一戦。「アユサンはライバル?いや、フレンドだよ」と複雑な心境も口にするが、レースになれば、もちろん敵。「多分、スタートがそんなに速い方ではないので後ろからになる。アユサンを差し切れるよう頑張ります」。“勝利請負人”が、今度はオーヴァルを戴冠へと導く。