【オークス】ルビー抜群気配アピール

 「オークス・G1」(19日、東京)

 小柄なディープインパクト産駒が頂点をつかむ。フローラSの勝ち馬デニムアンドルビーが15日、栗東CWで3頭併せを敢行し、馬なりながら抜群の気配をアピール。体質の弱さからデビューは遅れたものの、持って生まれた資質の高さは折り紙付きだ。

 遅咲きのディープインパクト産駒が大舞台に間に合った。名門・角居厩舎が満を持して送り出すのはデニムアンドルビー。栗東CWで最終デモを行い、迫り来る本番に向けて好気配を漂わせた。

 派手なアクションは必要ない。前にエキストラエンド(4歳1600万下)、後ろにレッドエルザ(3歳未出走)という隊列で6Fからスタート。3頭が並んで直線へ向く。ルビーは僚馬に挟まれる形でしっかりと我慢し、ゴール直前ではスッとしまいを伸ばした。前者と併入、後者に0秒2先着で、6F83秒4‐38秒0‐12秒2をマークした。

 見届けた角居師は「初めての距離ということで、今週は折り合いに関してだけ。人間の指示通りに動いていたし、余裕を持った動きだったと思います」と満足そうな笑みを浮かべた。

 体質の弱さから2月デビューとなってしまったが、秘めた資質は本物だ。3戦目で初勝利を挙げると、前走のフローラSは3角から豪快なロングスパートを見せて完勝。一躍、樫の有力馬にのし上がった。

 「以前はカイ食いが細かったけど、今はしっかりと食べているし、競馬を使うごとに良くなっていますね。折り合いは問題なく、前走を見る限りでも、距離が延びるのはやりやすくなると思う」と静かな口調のなかに意欲をのぞかせた。

 父ディープインパクト、母の父キングカメハメハはともにオーナー・金子真人氏が所有していた。大一番を前に凱旋門賞・仏G1(10月6日・ロンシャン)の登録がなされたことからも、オーナーの抱く思い入れの深さがうかがい知れる。

 「まさに“ザ・金子”という血統ですね。時間はかかったが、ここにギリギリ間に合ったし、強い運も持っていると思う」と指揮官は目を細める。父譲りの末脚を繰り出して、期待に応えたい。

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