【オークス】プレジール狙う最速制覇
「オークス・G1」(19日、東京)
異例のスピードVで競馬史に名を刻むか。デビューから99日、史上初となるキャリア3戦目でのオークス制覇をもくろむサクラプレジール。17日朝は光沢感のある青毛の馬体を誇示するかのように、美浦Wで軽く汗を流した。バネのある走り、牝馬離れしたボリューム感、キャリア2戦とは思えぬ落ち着き。申し分ない気配を漂わせている。
「雰囲気は良かったですね。追い切り後もテンションは変わらない。カイバもしっかりと食べています」と話す藤原助手の表情も非常に明るい。最終追い切りは美浦坂路で一番時計の4F49秒4をたたき出した。それでも“スイッチ”が入ることはなく、オフの状態を保つ。3歳牝馬にとって過酷な2400メートルをこなすうえで、この安定した精神面は心強い限りだ。
木曜発表の馬体重は492キロで前走比プラス18キロ。減っていた馬体はきっちりと戻った。「フラワーCのときはソエ(の影響で)で出来が物足りなかった。それにカイバも食べていなかったんです」と振り返る。決して満足のいく状態ではないにもかかわらず、好位からの横綱相撲でV。「桜花賞をパスして大正解ですね。体もひと回り大きくなっています」と、前走を大幅に上回るパフォーマンスを約束する。
06年カワカミプリンセス以来、史上5頭目となる無敗オークス馬へ‐。1カ月遅れのサクラが樫の舞台を鮮やかに彩る。