ブロッケンがデイリー来社ダービーPR
「日本ダービー・G1」(26日、東京)
馬がマスコミ各社をあいさつ回り。09年フェブラリーSを優勝するなど、ダートG1で3勝を挙げたサクセスブロッケン(セン8歳)が21日、東京・木場のデイリースポーツ東京本部を訪れた。今年で80回を迎える日本ダービー(26日・東京)のPR活動の一環で、肩書は東京競馬場特命宣伝部長。この日だけで4カ所6社を馬運車で移動し、鼻革を利用した名刺交換という仰天技を披露した。
G1ホースがデイリースポーツにやってきた。車内でおしっこをすませたサクセスブロッケンは、一流アスリートが愛用しているファイテン製のスーツに身を包んで登場。イニシャル入りのワイシャツに赤いネクタイ、襟元にはダービー特製ピンバッジを着けている。東京都内は気温25度を超える蒸し暑い一日となったが、クールビズではなく、ばっちりと正装を決めて来社した。
二重構造の鼻革は名刺がさせるように工夫されている。東京競馬場第80回ダービー特命宣伝部長と印刷された名刺を、デイリースポーツの改発博明東京本部長と交換。本部長が差し出した名刺が鼻革ではなく鼻面にささったときに少しだけ驚いた表情を見せたが、終始、落ち着き払って対応した。ボロ(馬ふん)をする可能性があるため、JRA職員がバケツやちり取りを用意していたが、粗相をすることなく無事に任務を遂行してみせた。
フェブラリーSをレコードで制するなど、ダートで大活躍したブロッケンは11年に引退。種牡馬にはならず去勢手術を受け“タマ抜き”して、東京競馬場の誘導馬に転職した。本来ならオネエ系のはずだが、昨年7月に開設したフェイスブックではヤンキーっぽい関西弁を駆使。デイリー社員との記念撮影でも、女性に触られたときだけ、にやけた表情を浮かべて男らしさを見せていた。
ブロッケンには夢がある。それは現役時代に最下位の18着に惨敗した日本ダービーの舞台に再び立ち、誘導馬として“先頭”になることだ。だが競馬場の地下道で走りだしたり、今年のフェブラリーSで誘導した際には尻っぱね(後ろ脚を蹴り上げること)をするミスを犯してしまった。
「これだけの成績を残している馬なので、走らなくていいということを教えるまでほかの馬より時間がかかる」と指導役の町田裕司氏。まだ経験不足という理由で今年のダービー誘導馬には落選した。当日はお客さんのお出迎えと、1~6レースまで誘導馬を務める予定。ダービーは“自宅”に戻ってテレビ観戦するが、町田氏によれば「おそらく寝てしまうでしょう」。ダービー再登場の夢は、いつ実現することやら…。