【ダービー】キズナ超絶!豊が絶賛
「日本ダービー・G1」(26日、東京)
毎日杯、京都新聞杯と連勝中のキズナが22日、豪快デモだ。武豊を背に栗東坂路で併せ馬を行い、ラスト1Fで仕掛けられると、瞬時に反応して1馬身半先着した。皐月賞をパスして臨む大一番。抜群の動きを見せ、3歳馬の頂点獲りに向けて死角はない。皐月賞2着のエピファネイアは予定していた栗東CWから急きょ坂路追いに変更したが、陣営は不安なしを強調した。
一生に一度の大舞台に向け、こん身の仕上げを施した。キズナは栗東CWで体をほぐしてから、武豊を背に坂路でウォーターパーク(3歳未勝利)と併せ馬。序盤は馬なりで馬体を並べて駆け上がり、ラスト1F手前で左の肩ムチが入ると瞬時にギアチェンジ。手綱をしごかれるとストライドを伸ばし、必死に食い下がる僚馬を突き放した。4F54秒3‐39秒2‐12秒4。豪快に1馬身半先着を決めた。
鞍上は「動きは素晴らしかった。2歳から乗せてもらっているけど、全体的にしっかりしてパワーアップしていると感じる」と絶賛。見届けた佐々木師も「いいですね。とにかく、やらなさ過ぎだけは嫌だった。残り1Fビッシリという指示で、その通りいい動き。4F56秒くらいと思っていたけど、ジョッキーが乗っていたのもあって動いたね」と声を弾ませた。
弥生賞で5着に敗れると目標をダービー一本に絞った。毎日杯、京都新聞杯と父のディープインパクトをほうふつさせる、飛ぶような末脚で重賞連勝。一戦ごとに上昇カーブを描き、一気に世代の頂点を狙える位置まできた。父の主戦でもあった武豊は「走るフォーム、背中の感触、乗り心地。彼の遺伝子を受け継いでるのを感じる。ディープの子どもでダービーに出られるのはうれしいし、父子制覇できればと思う」と力が入る。
父は05年に5馬身差で世代の頂点に立った。当時の2着が佐々木厩舎のインティライミだ。「ディープで勝ったときは先生の馬を負かして悪いことをした。今年は一緒に勝てれば」と鞍上はユーモアたっぷりにV宣言。指揮官も「ダービーに有力馬で出られるのはうれしいし、こういう馬をやらせてもらえるのはトレーナー冥利(みょうり)に尽きる。あんまり言うと、豊ちゃんにプレッシャーかけちゃうかな」と満面の笑みを浮かべた。
ジョッキーとトレーナーの2人でそろって共同会見に臨むなど、陣営の絆(きずな)は日増しに強まり、ムードも最高潮だ。「最終追い切りまで万全の態勢できた。悔いの残らないレースをして勝ちたい。僕自身も今年のダービーにかける思いは強い」と締めくくった武豊。心強い相棒とともに、前人未到のダービー5勝目をつかみ取る。