【ダービー】コディーノ決戦の地で鋭伸
「日本ダービー・G1」(26日、東京)
決戦の地に蹄音が鳴り響いた。皐月賞3着馬コディーノが新コンビのウィリアムズを背に、東京競馬場の芝コースで追い切りを行った。しまい重点の内容ながら軽快な動きを披露。日本馬が東京競馬場で追うのは極めて異例。ダービー初制覇を狙う藤沢和師の強い意欲が感じられる。同じくダービーに出走する僚馬フラムドグロワール、レッドレイヴンも同所で追い切った。なお、枠順は23日に確定。馬券は24日に前々日発売される。
現役最多となる1167勝を挙げる名トレーナーが異例の策を打ち出した。決戦の地・東京競馬場での追い切り。藤沢和厩舎のコディーノが、芝コースでデモンストレーションを敢行した。目黒記念に出走するルルーシュ(5歳オープン)を目標にスタートして、直線で内にもぐり込む。最後は馬体を併せてフィニッシュした。
3F37秒3‐12秒1。上がり重点で終始、馬なりだったため、派手さこそなかったものの、緑のターフに黒鹿毛の馬体が映えた。指揮官は「時計は遅かったが外を回してのものだから。動きは良かったよ」と体調の良さを実感して満足げにうなずいた。
昨年の朝日杯FSは2着、そして前走の皐月賞は3着。G1・2戦は、道中の力みが一つの敗因として挙げられる。課題となる気性について「こちらの予想以上に落ち着いている。いいね。東京(に移動してから)の調整もここまではうまくいっている」と笑みを浮かべた。
“落ち着き”。これこそが最も重要なポイントだ。最終追い前日の22日に東京競馬場に移動。左回りの調教場を求めるとともに、環境に慣れるのに時間がかかるコディーノの性格を考慮しての策だ。レース4日前から滞在することで、テンションが上がるのを防ぐことができる。
「(通常通り)美浦で追ってダービーを勝っていないし、少しでもいいと思ったらほかの方法を考えなければならない。(ゼンノ)ロブロイ、(シンボリ)クリスエス級の馬でも勝てなかったのだから」と説明する。
「(東京で追う)デメリットはあるし、当然、失敗したときの怖さもある。それでも勝つためにやらなければ」。Vを意識しているからこその決断であり、それだけコディーノを高く評価している証拠でもある。
「長年、調教師をやらせてもらっているけど、ダービーはうまくはいかない」。計15頭が参戦して最高着順は2着。多くのタイトルを手に入れてきた名トレーナーも競馬の祭典には縁がない。それだけに万全の策を講じた。
枠順は1枠2番に決定。「内でいい枠だし、東京の2400メートルで変われると思う」。好枠もゲットし、悲願達成に全力を注ぐ。