【ダービー】キズナここも“通過点”
「日本ダービー・G1」(26日、東京)
リラックスムードが漂っていた。キズナが25日の午後3時41分、決戦の地・東京競馬場に到着。引き運動中は他の馬運車に興奮して飛び上がるシーンもあったが、洗い場でブラッシングされると、すぐに落ち着きを取り戻した。「輸送自体はスムーズだったよ。車の中でも微動だにしていなかったしね。体重も前回と同じぐらいになりそう」と田重田厩務員は笑顔をのぞかせた。
牝馬G1・3勝馬ファレノプシスの弟という血統背景はもちろん、実戦での圧倒的なパフォーマンスが支持され、前日オッズでは単勝1番人気(2・9倍)となった。「ロゴタイプとはやっていないから何とも言えないが、レコードで皐月賞を勝っているし、自在性があるのが怖いね。でも、心配よりもわくわくする気持ちの方が強い」と仕上げ人は初対決を心待ちにする。
弥生賞の敗退で若干の遠回りは強いられたが、無事に7197頭の頂点を決める舞台までたどり着いた。「やることはやれた。古馬になってからも重要なG1があるし、今回は1つの通過点だと思っている。無事に通過したいね」。直線で繰り出す末脚は父ディープインパクト譲り。ファンの思いに応えるとともに、メモリアルダービーに深くその名を刻む。