【安田記念】ボス坂路で迫力満点の動き

 「安田記念・G1」(6月2日、東京)

 マイルという居場所で力を示してきたグランプリボスが29日、栗東坂路で闘う意志を示した。パートナーを務めたモズ(6歳オープン)を前に見ながらの登坂。だが、形勢は一瞬で逆転する。パワフルなフットワークで瞬時に差を詰め、突き放す。雨粒とチップを蹴散らしながらスピードに乗り、4F51秒7‐38秒6‐13秒2を計時。坂上では、1馬身半先着を果たしていた。

 「行ってしまいましたね。完全にスイッチが入ったというか、出来上がったという雰囲気です。東京の1600メートルは、とても合っていますからね。不利さえなければ、大丈夫でしょう」。馬の後ろで我慢させる時間をもう少し多く作りたかった、と振り返った矢作師だが、その表情は自信に満ちあふれていた。

 苦手意識のあった休み明け初戦(マイラーズC1着)をクリア。1週前には、栗東CWでド迫力の攻めを展開した。頂点を極めるための準備に、誤算は生じていない。

 「胸の深さが一段と増して、体が良くなりました。さまざまな経験を積み重ねて、ようやく開花してきたようです。いい状態でレースを迎えることができるので、きっといいレースをしてくれると思います」。

 ボスの成績が落ち込んだ時も、一度踏み出すと戻りにくくなる、とスプリント路線への転向を封印。マイルで結果を出すことに尽力した指揮官は、完成期に到達したと胸を張った。約2年ぶりのG1制覇へ機は熟した。

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