【安田記念】香港馬グロリアス軽快
「安田記念・G1」(6月2日、東京)
昨年14着だった香港馬グロリアスデイズが30日、東京競馬場のダートコースで追い切りを行った。しまい重点の内容ながら、軽快なフットワークを披露。今年は安田記念を最大目標に置いており、陣営の本気度がうかがえる。また先週、ダービーを制した武豊はサダムパテックとのコンビで参戦。自身6度目の2週連続G1制覇へ意欲を示した。
雪辱に燃えるグロリアスデイズが、東京ダートで追い切りを行った。4角手前からスピードアップして、3F41秒8‐14秒4を記録。2度目の来日とあってリラックスしており、強い風と霧雨が降る天候にも動じることなく、軽快なフットワークを見せた。
サイズ師は「動きを見ても正常の範囲内。追い切り後の息の入りも良かった」とうなずく。軽めの内容に思えるが、これこそサイズ師のやり方。08年安田記念2着だったアルマダもソフトな調整法で結果を残した。「ここまでは順調」と状態に自信を持っている。
意気込みは昨年以上のもの。「安田記念は世界的に格のあるレースだし、力は入る」と指揮官の鼻息は荒い。それはローテーションに表れている。昨年は5月に地元で行われたチャンピオンズマイル(2着)を目標に置き、年明けから5戦目での出走だった。しかし、今年は安田記念を最大目標に置き、1戦少ない4戦目で臨む。「万全の対策を敷いて、今回は軽めに番組を組んだ」と早くから日本参戦をもくろんでいたことを説明。本気の姿勢がうかがえる。
昨秋から着用したブリンカーも大きな効果をもたらした。「着けてから格段に集中できるようになった」。着用後は〈2・2・1・1〉で全て掲示板をキープしている。
「日本の馬は強いし、ロードカナロアは脅威」と警戒しつつも、「自分のところにいいマイラーがいれば、安田記念に力を入れるのは当然」と並々ならぬ意欲を見せる。このレース6度目の挑戦となり、日本を熟知している指揮官が送り込んだ刺客。日本馬にとって侮れない存在となる。