【宝塚記念】フェノー“鬼迫"見せた

 「宝塚記念・G1」(23日、阪神)

 オルフェーヴルの回避という衝撃が走った初夏のグランプリだが、同じステイゴールド産駒でG1連覇を目指す春の天皇賞馬フェノーメノは順調だ。13日は主戦の蛯名を背に美浦Wで併せ馬。直線で軽く仕掛けられただけで迫力に富むフットワークを披露し、貫禄の先着を果たした。No.1の勢いも武器に“3強”対決を制してみせる。

 雨で湿ったチップを蹴散らしながら、フェノーメノは軽快なフットワークで美浦Wを突き進む。4角では4、5馬身前にいた僚馬ラッキーバニラ(6歳オープン)を目がけて、外から襲いかかった。だが馬体が合ったのは一瞬のこと。直線に向いて鞍上が左手で軽く合図を送ると楽々ととらえて、あとは差を広げるばかり。最後は手綱を押さえて6F80秒1‐38秒2‐12秒9をマークした。

 「最後の1Fにある程度、八分ぐらいの感じでやってくれとの指示。その通りの内容でいい動きだった」と蛯名は満足そう。天皇賞・春を制したあと、追い切りに騎乗したのはこの日が初めて。「前走は具合が良かったのでそれ以上とはいかないけど、キープしている」とうなずく。戸田師も「天皇賞の1週前は少し仕掛けて行ったけど、きょうは楽だったね。いつも通りの内容でリズム良く走れていたようだ」と笑顔を見せた。

 積極的な競馬で春の盾を射抜き、G1ウイナーの仲間入りを果たした。「ウチの馬だからそう見えるのかもしれないが、歩いている姿を見ると風格が出てきた感じ。年が明けてからは大人びて、走ることにも集中してきたようだ」。昨年はダービー、天皇賞と大一番で2着に泣いたが、今年は2連勝。悔しさを糧に、確実に進化を続ける姿に指揮官は頬を緩める。

 午後になり、昨年のジャパンC(5着)以来の再戦となるはずだったオルフェーヴルが回避するとの一報が届いた。「人ごとじゃないですね。オルフェがいなくなっても、ジェンティルドンナにはJCで突き放されている。相手うんぬんより、まずは自分の馬を無事に送り出すことに専念したい」と気を引き締めた。

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