【宝塚記念】フェノー風切り裂いた
「宝塚記念・G1」(23日、阪神)
フェノーメノは19日、美浦Wで軽快な動き。天皇賞・春を制した前走時同様に好調ぶりを印象付けた。
天皇賞・春で念願のタイトルを手に入れたフェノーメノ。4歳になって2連勝と、充実期を迎えて名実ともに関東のエースとなっただけに、その動きに熱いまなざしが集まった。
最終追い切りは強風が吹き荒れる悪コンディションだったが、全く動じない。20分ほど角馬場で体をほぐして美浦Wへ移動、単走で6F標を通過してからペースアップした。道中の折り合いも完璧なまま迎えた直線。残り1Fから向かい風をものともせず、鞍上のゴーサインに鋭く反応。6F83秒9‐39秒8‐12秒7をマークした。
13日の1週前追い切りで蛯名がまたがり、強い負荷をかけるケイコを消化。直前は助手騎乗で軽めと、予定通りの調教過程を歩んできた。戸田師も「きょうは向かい風が強かったし、気を抜かせないようにメニューを組んだ。最後まで集中して、真っすぐ走ってくれた。順調にここまできたので、いい状態で送り出せそう」と笑顔を浮かべた。
「あんまり(見た目は)速く見えないけど、(時計はいつも)速い。楽に走っているからだろうね」。相棒の動きをスタンドで見守った蛯名はそう言って目を細め、「今の段階でどこまで差を詰めているか」と、ジャパンC以来となるジェンティルドンナとの再戦に表情を引き締めた。
唯一の不安は、台風4号による輸送の影響だ。「どの辺りを通過するかが心配かな。馬運車も昔と比べたら進化して、家庭用の車より乗り心地は良くなっているけど、台風の影響で通行止めも考えられるから」とトレーナー。従来通りレース前日の22日早朝出発を予定しているが、戸田師の天気予報とのにらめっこは、週末まで続きそうだ。