【宝塚記念】フェノーメノ王道突き進む
「宝塚記念・G1」(23日、阪神)
G1ウイナーとしての貫禄が漂う。どんよりとした曇り空に包まれた、22日の阪神競馬場。午後0時30分過ぎ、馬運車からゆっくり降りてきた東の切り札・フェノーメノは実に堂々としていた。
「輸送は何の問題もなかった。渋滞もなく、スムーズに来られて良かったよ」。後片付けが一段落した箕輪厩務員が笑顔を浮かべる。前走に続き2度目となる関西圏への輸送にも「もう古馬だからな」と笑い飛ばした。
戸田師と主戦の蛯名が「風格が出てきた感じがする」と口をそろえる、今春の天皇賞馬。過去に81年菊花賞馬のミナガワマンナ、84年ダービー2着馬スズマッハなど、数多くの名馬を手掛けてきた箕輪厩務員もまた、成長ぶりを実感している。
「欲張ってはいけないけど、タフな競馬をしてきて見た目ではだいぶトモに肉がついた感じがする」とうなずく。「体重はもう変わらないと思うが、まだまだ中身が膨らんでくる期待がある」と腕利きは“現在進行形”であることを強調した。
春盾を射抜いたのに続き、中距離界も制圧してG1連勝へ‐。「この時季に競馬をするのは(4歳の3強)みんなが初めてだし、条件は一緒。うちのは輸送がある分、いいハンディかな」と冗談を交えつつ、その表情は明るい。現在の充実ぶりは、隠そうと思っても隠し切れないものがある。