【ラジオN賞】プリンス完成度に磨き
「ラジオNIKKEI賞・G3」(30日、福島)
宝塚記念も終わり、本格的な夏競馬がスタート。福島の開幕週は名物の3歳重賞だ。
初めての重賞挑戦がG1のNHKマイルCで、11番人気ながらもわずか0秒3差の6着。シャイニープリンスの前走は“健闘”と言っていい。だが栗田博師の、結果に対する受け止め方は違う。「不完全燃焼。2度ほどスムーズさを欠く場面があったから」と厳しい表情で振り返る。
スタートで他馬に入られて後方待機を余儀なくされ、直線でもさばくのに苦労するシーン。それでも大外に持ち出してからは、末脚を勢い良く伸ばした。勝負事で“タラレバ”は禁句とはいえ、トレーナーの思いにはうなずけるものがある。
大魚を逸した悔しさ。それをまずは、重賞初Vという結果で少しでも晴らしたい。今回手綱を握るのは、初芝となった前々走の橘Sでテン乗りながらもVへ導いた和田。福島競馬への参戦は08年11月22日以来、実に4年7カ月ぶりとなる。わざわざ駆けつけるのも大いに脈がある証拠だろう。
1週前は美浦Wで3秒以上も先行した僚馬との併せ馬でビッシリと攻められ、5F64秒2の一番時計。今回にかける、陣営の意欲のほどが伝わってくる。「順調にきている。コーナーが4つの舞台がどうかだが、うまく対応してくれれば」。一戦ごとに完成度にも磨きがかかり、タイトル獲得への機運は熟している。