【七夕賞】ラクリマ完全復活で重賞V2

 「七夕賞・G3」(7日、福島)

 02年以来、11年ぶり4回目の“七夕決戦”を制したのは1番人気マイネルラクリマだった。柴田大の積極的な騎乗に導かれ、昨年の京都金杯以来となる2つ目の重賞タイトルを獲得。サマー2000シリーズの開幕戦を制し“夏の王者”の有力候補に躍り出た。ドバイ遠征帰りのトレイルブレイザーが2着を確保し底力をアピール。14番人気のタガノエルシコが3着に奮闘し、3連単は31万馬券の波乱となった。

 復興への道のりを着実に歩む福島で、マイネルラクリマが完全復活をアピールした。荒れる重賞のジンクスも関係ない。3番手追走から、4角で先頭に立つ強気な立ち回り。直線では後続を突き放して1番人気に応えてみせた。明るい未来を切り開く圧巻の勝ち方だ。

 殊勲の柴田大は「きょうはある程度、前に行こうと考えていました。具合が良過ぎて掛かり気味に進出。でも、4角で仕掛けるとグイとハミを取った。あそこで押し切れると思いました。こういう馬場は得意ですね。終わってみれば本当に強かった」と声を弾ませた。

 昨年の京都金杯で重賞初Vを達成した。だが続く東京新聞杯(8着)のレース中に左後肢を骨折。手術で3本のボルトが埋め込まれ、戦線離脱を余儀なくされた。一時は名前も忘れかけられたが、復帰2戦目の福島民報杯を圧勝。復活への一歩を刻んだのに続く、みちのくロードの快走劇だ。

 表彰式でタレントの剛力彩芽がプレゼンターを務めた。ガッチリと握手した柴田大は「大ファンなんです。だからきょうは絶対に勝とうと気合が入りました。剛力さん、本当にかわいいですね」と目尻を下げる。「早めに動いても止まらない。この馬の強さを分かってもらえたと思う。完成されてきたし楽しみ」と、さらなるステップアップへの手応えをつかんだ。

 上原師も「前回の福島が強い勝ち方。中間は自信を持ってここを目標に仕上げた。前半は掛かり気味だったが、鞍上がうまくなだめてくれた」と会心の笑みを浮かべる。今後はサマー2000シリーズ制覇を目指す公算が大きい。七夕の日、過去に流した“涙”(イタリア語のラクリマの意味)は、すっかり乾き切っていた。

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