【函館記念】巴賞Vのソミュールに勢い
「函館記念・G3」(14日、函館)
勢いに乗ったエアソミュールが待望の初タイトルへ王手をかけた。
過去10年で5勝、2着6回の最重要ステップ・巴賞の勝ちっぷりが圧巻だった。初めて経験する洋芝を気にすることなく、スムーズに好位を追走。終始抜群の手応えで直線に向くと、後続が来るのを待って追い出す余裕を見せた。初コンビだった松田も「ボクはつかまっていただけ。抜け出してからフワフワしてたけど、強い内容だった」と、期待以上の楽勝劇に目を丸くしていたほどだ。
今年に入ってからの充実ぶりが目を引く。大阪城Sでオープン初V後、続く都大路Sは3着だったが、勝ったリルダヴァルは続くエプソムCで4着。2着マイネラクリマは先週の七夕賞制覇と、強敵相手に出遅れながら0秒5差。前々走の鳴尾記念は大外枠に加え、開幕週&前残りの展開のなか、後方からメンバー最速の上がり(3F33秒9)を駆使して、勝ち馬に0秒2差の4着と奮闘した。一戦一戦力をつけているのは明白だ。
中1週になるが、中間も順調そのもの。「競馬が楽だったから、馬もケロッとしてますよ」と前川助手は涼しい顔を見せる。「次も狙っていける状態ですね」と、自然とその声も弾んだ。今回はコンビで2勝を上げる和田が久々に手綱を取る。限りなく視界は良好。北の大地で重賞ウイナーの仲間入りを果たす。