【函館記念】武豊&ヘイロー逃走V

 「函館記念・G3」(14日、函館)

 武家ゆかりの地で名手が鮮やかに決めた。3番人気トウケイヘイローが、86年ニッポーテイオー以来となる逃げ切りV。武豊は97年函館3歳S(アグネスワールド)以来、16年ぶりの函館重賞Vとなった。鳴尾記念に続き重賞連勝を決めた快速馬は、秋の天皇賞を最大目標に掲げ、中距離戦線を突き進む。好位追走の7番人気アンコイルドが2着、8番人気アスカクリチャンが3着。巴賞の勝ち馬で1番人気のエアソミュールは10着に完敗した。

 ローカルG3では珍しく、右手で小さくガッツポーズをしながら武豊が引き揚げてきた。1着馬のつなぎ場にトウケイヘイローを収めると、周囲から次々に祝福の声がかかる。4度目の挑戦で初めて勝った函館記念。戦後、函館競馬復興に尽力したことで知られる武家のゆかりの地で開催される看板重賞を制して、お約束のユタカスマイルがはじけた。

 「スタートで決めようと思っていた。自分の形に持ち込めば、力を発揮してくれる」。イケドラゴン、コスモラピュタ、モズ…。逃げ馬がそろった一戦だったが、ゲートが開くとポンと飛び出して先頭に。第一人者の気合に押されたのか、競りかける馬はいない。そのまま1周の“独り旅”。このレースにおける逃走Vは86年のニッポーテイオー以来、実に27年ぶり。勝ち時計の1分58秒6は、くしくも当時と同タイムだった。

 「折り合えれば、もともとしぶとい血統。直線も短いので押し切れるかなと」。函館で逃げ脚を磨いたニッポーテイオーは翌年、天皇賞・秋を制した。今年早くも3つ目の重賞を手に入れたトウケイヘイローも大舞台へ夢が膨らむ。「札幌記念(8月18日・函館)も選択肢だが、秋は天皇賞(10月27日・東京)が最大目標。もう賞金もクリアしているから」と清水久師も野望を隠さない。

 サマージョッキーズシリーズに、サマー2000シリーズ。今後へ楽しみをつなげて函館を後にした武豊。17日にはイスタンブールのヴェリエフェンディ競馬場で行われる「トルコジョッキークラブ国際騎手招待競走」に世界選抜の一員として参加する。

 「日本代表として頑張る。帰ってきて来週は中京です」。8年ぶりのダービー制覇で復活を印象付けた3500勝男が、夏競馬も主役を務める。

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