【函館2歳S】ヴァイサー、二刀流だ
「函館2歳S・G3」(21日、函館)
素質豊かなヴァイサーリッターがタイトル奪取を目指す。センスあふれるレースぶりは好メンバーに交じっても遜色ない。7日に急死した父デュランダル譲りの脚力で、今年最初の2歳重賞を制する構えだ。
ヴァイサーリッターの父デュランダルは現役時代、馬名の通り名刀の切れ味でG1・3勝を挙げた。種牡馬としての代表産駒は11年のオークス馬エリンコート。牡馬クラシックにはまだ縁がない。ヴァイサーリッターが函館2歳Sを勝つようなら、父の評価をさらに高める。
ポテンシャルは高い。デビュー戦は3着だが、勝ったファイトバックと同タイム。2戦目は鮮やかな逃げ切りで、時計を1秒3も詰めた。尾関師は「牧場でいい出来になって厩舎へ。ただ、新馬戦の時は次に上がり目がある仕上げで臨みました。実際に使って攻め馬の動きが良くなった。2戦目は期待通りの勝ちっぷりでしたね」と言う。
母の父が名スプリンターのサクラバクシンオー。しかし、指揮官は「確かに母の父が出ている感じはするが、父の勝負強さも備えていると思う」と一介のスピード馬とは思っていない。同じデュランダル産駒のカリバーンは、母の父が短距離色の濃いボストンハーバーだが、芝2000メートル以上で3勝を挙げている。
コンビを組む黛は「癖のない乗りやすい馬ですね。前走は勝ちにこだわった。不利とかあると嫌だから逃げた。今回は他に速い馬がいる。位置取りにはあまりこだわりません。僕としてはいい勝負になると思う」と力が入る。
初戦はスローのヨーイドンの競馬。2戦目はハイペースで逃げ切った。緩急両方の流れに難なく対応。名刀の産駒ヴァイサーリッターは二刀流だ。