【函館2歳S】領家師バックで旋風だ

 「函館2歳S・G3」(21日、函館)

 領家政蔵調教師(69)=栗東=が得意の北海道シリーズで今年も重賞Vを狙う。10、11年に連覇と過去3年で2勝を挙げる相性のいいレースに、今年も有力候補のファイトバックを送り込んできた。自身が管理し、10年札幌2歳Sを制したオールアズワンの異父弟。来年2月に定年を迎える師が、ゆかりの血統馬で最後の夏を鮮やかに彩る。

 今年も函館に“領家厩舎旋風”が巻き起こる。函館2歳Sは10年マジカルポケット、11年ファインチョイスで連覇。昨年のアットウィルは1番人気で5着に敗れたが、4年連続で有力馬での参戦となる。得意の一戦に、10年札幌2歳Sを制したオールアズワンの異父弟ファイトバックで挑む師は「去年の5着もレースのアヤ。今年も1回使ってすこぶる順調に来ているからね」と意欲的だ。

 新馬戦は前半3Fが36秒8のスローペース。5番手で直線に向き、前が壁になって万事休すかと思われたが、外に出すと鋭い伸びを見せて差し切った。V時計こそ1分11秒7と平凡だが「馬込みに入れて競馬をしたことが今回に生きるはず。兄と違ってずんぐりむっくりの体形で、距離は短い方が良さそう。いいフットワークをするからね。時計は流れ次第で詰められるはず」と期待する。

 牧場との連携で好結果を出してきた。「育成の段階から“ここを使いたい”と話してある。牧場でもしっかり乗り込んでくれているから、こういう競馬ができるんじゃないかな」と分析する。入厩後も丹念に乗り込み、早い段階からしっかり仕上げ、狙ったレースをきっちり勝つ。そこには、トレーナーの勝負師としての精密な戦略がある。

 来年2月いっぱいで定年を迎える指揮官にとって、今回は最後の函館2歳S。「特に意識はないけどね。流れは向きそうだし今年も十分チャンスはある」。2年ぶり3度目の制覇で北の大地を熱くする。

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