“ユタカ先生”が熱弁を振るった‐。武豊騎手（４４）＝栗東・フリー＝が２３日、栃木県那須塩原市にある地方競馬の騎手などを養成する地方競馬教養センターで、騎手候補生（９２期＝１２人、９３期＝１３人）及び厩務講習生４人を前に『プロ騎手としての心構え』と題した講義を行った。ＪＲＡ所属騎手としては初めて。

　“生徒”の緊張を和らげようと時折、独特のジョークを交えながら約７０分。「思い通りにいかないことが多い。だけど、投げたり、あきらめたりするのは良くない。難しいことにどんどんトライしてほしい」とアドバイスした。

　講演後には来春卒業予定の９２期生に木馬の実技指導。予定にはなかったが、最後は自らもまたがった。「みんな頭もキラキラだけど（笑）、瞳がキラキラしていてかわいかったね。きょうの生徒の中から、スターが生まれてほしいね」と笑顔を浮かべた。紅一点の鈴木麻優さん（１７）は「夢のような時間で楽しかったです。今後に生かしたい」とうれしさを隠せなかった。

　興奮気味の候補生たちを前に、最後は「いつか一緒に競い合いましょう。楽しみにしています」とエールを送った武豊。中央、地方の垣根を越えた、熱血指導ぶりだった。