【アイビスSD】ハクサン重賞2勝目
「アイビスSD・G3」(28日、新潟)
自慢のスピードでファンを沸かせた。1番人気ハクサンムーンが酒井に導かれて重賞2勝目。昨年4着の借りを返すとともに、サマースプリントシリーズでも15ポイントでトップに立った。2着には村田が騎乗した3番人気フォーエバーマークが入り、地元・新潟出身ジョッキーによるワンツー決着。連覇を狙った2番人気のパドトロワは59キロの酷量も響き、10着に沈んだ。
ハクサンムーンと姿を現した表彰式で、ファンから歓声が飛ぶ。「マナブ!おめでとう!」。夏の新潟開催参戦は実に3年ぶり。01年カブトヤマ記念(タフネススター)以来となる地元重賞Vに、「久々の新潟で重賞勝利。本当にうれしいですね」と酒井のさわやかな笑顔がはじけた。
「きょうは自信を持って乗ることができました」と圧倒的なスピードを信じていた。フォーエバーマークと2頭で集団を引っ張る展開。「残り400メートルで踏んだらグンと来た。“まだだな”と思って。残り200メートルの標識が過ぎてから追いました。短距離のスペシャリストという走りでしたね」と完勝劇を振り返った。
レース前から“主役”だった。旋回しながら馬場入りを拒否する1番人気馬の姿に観客がどよめく。「中京(CBC賞2着)の時も同じ。闘争心がすごい。調子がいいから出すんですよ」と西園師に焦りはなかったようだが、「ホッとした」と本音もチラリ。「調教も馬のいる時間を避けている。まあ今後はレース前もいろいろ工夫しないとね」と苦笑いしながら、勝利に胸をなで下ろした。
今回のVでサマースプリントシリーズのトップに。今後は2週間の放牧を挟んだ後、最終戦のセントウルS(9月8日・阪神)で王者を目指す。そして最終目標はスプリンターズS(9月29日・中山)での頂点奪取だ。「体はデビュー時から約30キロ増えている。子どもから大人になった」と指揮官は本格化に手応え十分の様子。“千直”を制した現役屈指の快速馬は、さらなる高みへノンストップで突き進んでいく。