「キーンランドＣ・Ｇ３」（２５日、函館）

　“格より勢い”“牝馬を買え”‐ストレイトガールは夏競馬の格言を体現するかのような上がり馬だ。６月の函館開幕週で９カ月半ぶりの実戦復帰。休み明けこそ２着に甘んじたが、そこから一気に４連勝。当時５００万クラスだった４歳牝馬は、ひと夏のうちに一気にオープン特別勝ちまで成し遂げて、今や重賞を狙えるまでになった。

　何が彼女を変えたのか。「いやあ、競馬の後の輸送の負担がどれだけのものか。この馬でよく分かった。ストレスが全くかかってない」。田中助手の分析だ。今年は札幌が改修工事のため北海道シリーズは函館開催のみ。４回１２週のロングラン開催だ。開幕週の５００万２着から既に５戦を使ったが、競馬の後は歩いて厩舎に戻るだけ。馬運車とは無縁のままで２カ月間、戦い続けてきた。

　夏に強いと言われる牝馬でもある。函館滞在中はどんどん調子を上げてきた。「函館入りする前の栗東では力強くなっていたし、準オープンまではいい競馬をすると思っていた。しかし、ここまでとはね。使って使ってどんどん良くなってきたから」と担当者ですら舌を巻く成長ぶりなのだ。

　中間も順調そのもの。体重も１週前の時点で前走比６キロ増の４５０キロまで回復した。「カイバも食べているし、雰囲気はいいまま変わらない。相手は強くなるけれど、この条件はいいよね」。勢いを武器に強豪スプリンターに挑む。