【凱旋門賞】キズナ自己ベスト大幅更新

 「凱旋門賞・仏G1」(10月6日、ロンシャン)

 凱旋門賞に挑戦するキズナは21日、武豊を背に栗東坂路で自己ベストとなる4F50秒5の好時計をマーク。国内での実質的な最終追い切りを終えた。今後は24日に栗東トレセンで輸出検疫に入り、31日に渡仏。本番と同じ舞台のニエル賞・仏G2(9月15日)をステップにして向かう。また、昨年2着のオルフェーヴルも栗東坂路でシャープな動きを披露。24日に出国して、昨年制したフォワ賞・仏G2(9月15日・ロンシャン)から本番へ挑む。

 猛烈リハで好調を伝えた。キズナは武豊を背に栗東CWを1周流すと坂路へ移動。先行するアップトゥデイト(3歳1600万下)に2馬身先着を決め、この日2番目に速い4F50秒5‐37秒3‐12秒3をマークし、先週の4F52秒3を更新する自己ベストをたたき出した。動きを見守った佐々木師も「すごく良かった。予定よりも2秒ぐらい速くなったけど、それぐらい順調にきているということ。そんなに出る馬じゃないし、すごい馬になったね」と目を丸くした。

 手綱越しに伝わる約80日ぶりの感触。ダービー以来の騎乗となる武豊も「大幅に自己ベストを更新したからね。体を大きく使っていい走りをする。さすがダービー馬」と頂点に立ったその性能に改めて感心した。「疲れもしっかり取って、それからの仕上げもいい感じ。いい調整ができてホッとした」と安どの表情を浮かべた。

 出国までに今後速い時計を出す予定はない。「ニエル賞までに向こうで2本できるから」と指揮官。短期間で見せる成長ぶりに「パワーアップしているし、海外仕様になった。これなら深い馬場でも耐えられる。完成の域に入ったよ」と胸を躍らせた。主戦も前哨戦を強く意識する。「凱旋門賞と同じ舞台。その一戦を大きく使いたい。(ニエル賞まで)あと1カ月を切ったからね」。世界に向けて踏み出したダービー馬の第一歩。準備は着々と進んでいる。

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