【キーンランドC】ファイン有終の美だ

 「キーンランドC・G3」(25日、函館)

 有終の美を飾りたい‐。函館では5戦4勝、2着1回と抜群のコース適性を誇るファインチョイスは、今回がラストラン。「一番いい状態、一番走りやすい場所で引退させてあげたい」という陣営の“親心”に応えるべく、馬自身の状態はひと息入っていた前走を使って右肩上がりだ。ライバルを蹴散らし、最高の形で花嫁入りする。

 引退戦となるファインチョイスが究極の仕上げで臨む。水曜の最終追い切りの動きは上々で、野見山助手も「けさ(22日)の気配もいい。前走は少しレース間隔があいていたが、今回は中1週だから状態に関しては心配ない」と力を込めた。

 とにかく函館との相性は抜群。5戦4勝、2着1回と連対率は100%だ。前走のUHB賞で初黒星を喫したものの、一昨年の新馬‐函館2歳S連勝を含めてその戦績はキラリと光る。函館以外で馬券圏内に好走したのは、11年ファンタジーS(3着)だけ。なぜ、ここまで走るのだろうか。

 「栗東だとカイバを残し気味だが、函館だとしっかり食べるんだ。だから調教もきっちり積めるし、それが実戦でいい結果につながっているのだろう。滞在効果というのか、まさに水が合うということなんでしょう」

 牝馬の引退は繁殖時期に合わせて春シーズンがほとんどだが、ファインチョイスはあえて夏にラストランを迎える。このあと、9月末にはG1のスプリンターズSも控えているが、陣営は全て、馬自身の特性を見極めた上で決断を下したのだ。

 「来年(領家師の定年で)厩舎が解散ということもあるが、やはり一番いい状態、一番走りやすい場所で引退させてあげたいからね。厩舎の成績も上がってきた。あとはこの馬に頑張ってもらいたい」と野見山助手はうなずく。“庭”とする北の港町で4歳牝馬が悔いのない走りを披露する。

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