【エルムS】フリートが圧巻レコードV
「エルムS・G3」(24日、函館)
ダート界に新星の登場だ。フリートストリートが2番手から抜け出す横綱相撲で快勝。雨で締まった高速ダートの助けもあったが、従来のレコードを1秒1も更新してみせた。「どちらかと言えば時計のかかる馬場の方が強いと思っていた。でも対応できたね。強いよ」。内田博も手放しで褒めるほかなかった。
さらなる伸びしろを感じさせたのは馬場適性だけではない。発走の約30分前、函館のパドックはどよめきに包まれた。芦毛の巨体は暴れに暴れていた。放馬寸前の状態で2人引きの助手を引きずって突進。花壇を破壊してもまだ飽き足らず、助手を引きずり続けた。
松田助手は「このレースはどうしても外せない。だから大分仕上げていました。装鞍所ではおとなしかったんですが、スイッチが入ってからが大変でした」と冷や汗だ。
この1勝で今後のローテが楽になった。放牧を挟んで秋は一線級と相まみえる。「今後はパドックのお行儀も教えていかないと」と同助手。観客数もグッと増える大舞台に向け、“勝ってかぶとの緒を締めよ”だ。