【新潟記念】ネモシン1329日ぶりV
「新潟記念・G3」(1日、新潟)
今年の新潟サマーシリーズは波乱の幕切れとなった。並み居る牡馬を蹴散らし、10番人気コスモネモシンが直線で内から末脚を伸ばしてV。10年フェアリーS以来、3年7カ月21日ぶりの勝利で復活をアピールした。2着に8番人気エクスペディション、3着に7番人気フォタモルガーナが入り3連単は55万馬券に。1番人気ニューダイナスティは5着に敗れた。
夏の新潟を締めくくったのは伏兵10番人気の6歳牝馬コスモネモシンだった。これが実に1329日ぶりの美酒。2つ目のタイトルをアッと驚く激走でもぎ取った。
11年ヴィクトリアマイル(11着)以来のコンビとなった松岡は「筋肉が柔らかく、いい意味で変わっていなかった。気性的に難しいので、折り合いだけに気をつけた」と振り返る。自身もこれが今夏の新潟で4勝目と大スランプ。3月のダービー卿CT(トウケイヘイロー)以来となる重賞Vに笑顔がはじけた。
雨こそ上がっていたものの、昼過ぎからの激しい降雨で力を要する舞台に。「こういう馬場は得意だからね」と松岡は中団の内々で折り合いに専念した。直線で先に抜け出したエクスペディション目がけてスパートを開始。残り1Fで外から並びかけると、懸命の手綱で首差とらえ、人馬そろって“復活”のVゴールへ飛び込んだ。
初重賞Vを決めたフェアリーSも11番人気でのV。普段の調教時に馬場入りを嫌がるなど気難しさの残る熟女だけに、清水英師も週初めは控えめだった。「今回は調教の場所を坂路に変えたのが良かったのか、追い切りがスムーズにできたし、助手がうまくコミュニケーションを取ってやってくれた」とうなずき、「感謝、感謝だよ。雨が降ってきたのを見て、やれそうな予感がしていたんだ。きょうは全てがうまくいった」と目を細めた。
今後は未定だが「もうひと花咲かせてやりたい」とトレーナー。一方の松岡は「いい流れで秋競馬につながるね。きょうはオレの“天才騎乗”…ってこういうことを言うから駄目なんだね」とおどけてみせた。勢いを取り戻した人馬が、秋の重賞戦線でも存在感を示す。