【セントウルS】王者カナロア好気配
「セントウルS・G2」(8日、阪神)
G1・4勝の絶対王者ロードカナロアが4日、栗東坂路で軽快な動きを披露した。今秋初戦に向けて好気配を漂わせた。
水気を含んだチップを蹴散らし、軽快なフットワークで坂を駆け上がった。岩田を背に、ロードカナロアは栗東坂路でスマートレパード(3歳500万下)と併せ馬。序盤こそゆったりと入ったが、残り2Fからスパート。瞬時にパートナーの隣へ並びかけると、反応良くしまいを伸ばして0秒3先着。4F53秒3‐38秒2‐11秒7を計時した。
しびれる手応えに、鞍上は「予定通りに負荷をしっかりとかけられた。秋初戦をいい形で迎えられそう」と納得の表情だ。「(自身の)サマージョッキーズシリーズ制覇については考えず、この馬を1着に導きたい。次につながるレースができれば」と意気込みを示した。
昨秋からG1・4勝を含む5連勝。数々の金字塔を打ちたててきた絶対王者も、今年限りで引退することが明らかになっている。スプリンターズS(29日・中山)の前哨戦とはいえ、ここは単なる叩き台ではない。安田師は「今年は昨年以上にいい状態。現状で8割の出来はある。馬体重は変わらないが、トモの周りが大きく見えますね。精神的にも落ち着いている」と仕上がりに自信たっぷり。「これだけの馬ですからね。目標は先ですが、負けるわけにはいかない」と秋初戦に力を込めた。
昨年はエピセアロームの鋭脚に屈して2着に終わったものの、一段と成長した今なら伏兵も寄せつけない。斤量58キロ(昨年は56キロ)も足かせではないだろう。「すごく楽しみはあるけど、プレッシャーの方が大きいですね」と指揮官は武者震い。改めて国内無敵を誇示し、勇躍、東上を目指すのみだ。