【ローズS】デニム最後方から豪快V
「ローズS・G2」(15日、阪神)
1番人気に推されたデニムアンドルビーが雨の降るなか、豪快に差し切った。スタートはひと息だったが、慌てず騒がず最後方から追走。直線に入ると重い馬場を苦にすることなく、力強い伸びを披露した。2着には9番人気のシャトーブランシュ、3着には10番人気のウリウリが入り、上位3頭が秋華賞(10月13日・京都)の優先出走権を手にした。オークス馬のメイショウマンボは4着に終わった。
降りしきる雨で泥田と化した馬場。急坂を真っ先に駆け上がってきたのは、偉大な父と同じ勝負服のデニムアンドルビー。絶望的な位置からの後方一気に、内田博は「びっくりするくらい強い」と驚きの声を上げ「まるでゴールドシップみたい」とG1・4勝馬とイメージを重ねた。
前半は道悪に脚をとられ、押しても進んでいかない。ならばと腹をくくり「人気馬を目標に早めに動いて、徐々に順位を上げていきました」。前半1000メートルが58秒2という超ハイペースで、後方待機馬に流れが向いたとはいえ、身上の切れ味が殺される馬場状態。そのため「ジリジリとしか伸びなかったけど、差し切ってくれるんですから素晴らしい馬です」と愛馬を褒めたたえた。
プラス14キロの数字が示すように「実が入って、いい体になっていましたよ」と充実ぶりに目を細め「1回使ったことで、さらにいい方へ向かってくれるはず」とうなずいた。
本番の秋華賞は京都の内回りコース。「個性を生かした一番いい乗り方をするだけです」。前哨戦で確かな手応えをつかんだ。その自信と剛腕で、デニムアンドルビーを3歳牝馬の頂点へと導く。