【凱旋門賞】オルフェ1番人気に急上昇
「凱旋門賞・仏G1」(10月6日、ロンシャン)
いよいよ日本競馬の悲願達成が現実味を帯びてきた。日本ダービー馬2頭が躍動した前哨戦から一夜が明けた。16日、フォワ賞を連覇したオルフェーヴル(牡5歳、栗東・池江)を、その楽勝ぶりから欧州ブックメーカーは本番の1番人気に評価。ゴール寸前で勝利を逃した1年前の借りを返すべく、さらに状態を上げていく。一方、海外デビュー戦を仕上げ途上で制したキズナ(牡3歳、栗東・佐々木)は4番人気に浮上。06年に3位入線→失格となった父ディープインパクトの雪辱へ向け、究極の仕上げを施していく。
昨年の内容を大きく上回る圧勝劇でフォワ賞を連覇したオルフェーヴル。レースから一夜明けた現地時間16日朝、池江師は最高の形で試走を終えた5冠馬の様子を満足げに伝えた。「レースが楽だったので今朝のカイ食いも良く、歩様が硬くなったようなところもない。落ち着いていますね」。
辛勝だった昨年とは違い、ほとんど追うところなく抜け出し、最後は流す形で2着馬に3馬身の差をつけてみせた。「外傷性の鼻出血など、(渡仏後も)アクシデントがあったのは事実。それでも状態面に関しては昨年よりも良かった。それを証明できる結果だったと思います」とうなずく。
地元の競馬新聞『パリチュルフ』が、ヴェルメイユ賞を制したトレヴと横並びの1面で紹介するなど、現地の注目度も一気に上昇。それでも指揮官は必要以上にほおを緩めることはせず、浮ついた様子はない。「今回、いい勝ち方だったからと言って、次も勝てる保証があるわけではありません。再び気を引き締めていきたいと思います」。自らに言い聞かせるように話し、愛馬の様子をもう一度確認した後、帰国の途に就いた。
前哨戦の楽勝を受けて、欧州の主要ブックメーカーはこぞって1番人気に推してきた。1年前はレース直前にライバルが続々と回避。押し出される形で最終的に1番人気に支持された。だが、今年は違う。自らの走りでトップの評価を勝ち取った。「スミヨンも『精神的にもパワーの面でも昨年より成長している』と言ってくれました」。地元No.1ジョッキーの言葉を引用して成長ぶりを伝えた池江師は、1週間後の23日に再びフランスに戻る予定になっている。その時にはさらに良化したオルフェーヴルが、迎えてくれることだろう。