【神戸新聞杯】エピファV菊へ福永自信

 「神戸新聞杯・G2」(22日、阪神)

 貫禄のV発進だ。単勝1・4倍の圧倒的1番人気に応え、エピファネイアが2馬身半差の完勝。重賞2勝目を挙げ、悲願のG1初制覇に向けて弾みをつけた。春2冠はともに2着。課題の折り合いをクリアしたシンボリクリスエス産駒は、ラスト1冠へ向かうのか否か。動向が注目される。7番人気の2着マジェスティハーツ、2番人気の3着サトノノブレスまでが菊花賞(10月20日・京都)への優先出走権を獲得した。

 やはりモノが違った。皐月賞馬、ダービー馬が不在の一戦。ともに2着に泣いたエピファネイアが、2馬身半差をつけて今年の初勝利を挙げた。歓喜のゴールを駆け抜け、鞍上の福永は珍しく右手で力強くガッツポーズ。「めちゃくちゃうれしい。やっと乗りこなすことができた。折り合いをつけて走れたのが何より」と喜びを爆発させた。

 以前は激しい気性が災いして、レースで燃え過ぎる面を見せていたが、ひと夏を越して変わった。スタート後は中団の外めにつける。道中は懸念していた折り合いも全く問題なかった。3角過ぎから徐々に進出を開始すると、うなるような手応えで4角では早くも先頭をうかがう位置に。「いいリズムだったし、早めに仕掛けても止まらないと思った」と残り300メートルを前に自信を持ってゴーサインを出し、あとは独壇場となった。

 苦労が実を結んだ。中間はハミを替え、舌を縛るなど陣営も課題克服にあらゆる手を尽くした。レースでも舌を縛って臨み、結果が出た。鞍上もダービー以降、筋力トレーニングに励んだ。「このくらいパワーのある馬を自分のパワーで押さえられないと、超一流の馬は乗りこなせない。そのための準備はしてきた。こういうレースをするため、みんなで頑張ってきた」と力を込めた。

 中距離路線も視野に入れていただけに、今後についてオーナーの(有)キャロットファーム代表取締役社長・高橋二次矢氏は「レース後の様子を見て、相談して決めたい」と明言を避けたが、この日の内容なら菊花賞を見据えても問題はない。福永は「(路線は)オーナーと調教師が判断すること」と前置きした上で「菊花賞に行くのであれば、距離は600メートル伸びますが、今回の競馬は自信になる」と言い切った。価値ある勝利で再び加速を始めた人馬が、次は悲願のG1初Vへと突き進む。

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