【スプリンターズS】カナロア連覇へ
「スプリンターズS・G1」(29日、中山)
G1の舞台で本領発揮だ。秋初戦のセントウルSで2着に敗れ、連勝が“5”でストップしたロードカナロアだが、情状酌量の余地はある。当時は休み明けの上、別定戦で斤量が58キロ。他馬よりも厳しい状況であったことを思えば、負けて強しの内容だった。
数字も強さを再認識させる。前走の上がり3Fのタイムは、3番手につけたカナロアがNo.1。前傾ラップが必至のスプリント戦、しかも重賞レースで先行馬が最速タイムを記録するのは珍しい。黒星発進に、安田翔助手は「相手(1着ハクサンムーン)が強かった。それ以外にないです」。同斤量で戦う今回はきっちりと借りを返す。
前哨戦を叩いて、出来は着実に良化。20日の1週前追い切りでは、栗東坂路で4F52秒6‐37秒9‐11秒7の好時計をマークした。「体の締まりや毛ヅヤが良くなった。動きも活発で、フレッシュな感じがした」と仕上げ人。G1初制覇となった昨年との比較でも「同じようなコンディションで出せます」と胸を張った。
短距離G1・5勝目となれば、歴代1位のタイキシャトルと肩を並べる。「全てがかみ合えば、結果はついてくるはず。今回は目の前のレースだけを見て、いい状態で出走させたい」と安田翔助手。絶対王者が、戦闘モードに入った。