【スプリンターズS】セプター大金星へ

 「スプリンターズS・G1」(29日、中山)

 絶対的中心馬ロードカナロアの牙城を崩す馬はいるのか。穴党の期待の星はアドマイヤセプターだ。ダイナカール~エアグルーヴ~アドマイヤグルーヴと母まで3代続けてG1を勝っている牝系。素質は王者にも引けを取らず、いまだ完全開花を見ていない。春は体調が整わなかったが、前走で復調気配を示した。勝って日本が誇る血統の価値をさらに高めてみせる。

 デビュー前から大器と期待された良血が、ついに能力全開の時を見るかもしれない。今回その条件が整いつつある。

 骨量も筋肉も、持続的に成長し続けてきた。成長速度は平均的サラブレッドよりも約半年遅かったが、完成の域に達している。込山助手によると「昨年暮れあたりでようやく完成されたくらい。でもこの春は状態が伴わなくて動けなかった」という。昨年11月の京阪杯では初のスプリント戦という苦境をものともせず、ハクサンムーンを頭差まで追い詰めている。

 ここにきて春とは違って状態面も整ってきた。その証拠が始動戦のキーンランドCだ。切れる末脚が身上の馬が、ロングラン開催の上に雨にもたたられた泥田の函館で差し迫った4着はよくやったと見るべきだ。「ぬれた馬場はダメ。前走の敗因もそれやね。その後はダメージもなく帰ってこられたし、前走よりいい感じだよ」。上昇気配は間違いないところだ。

 桁外れの素質を期待させる血統については語り尽くされているだろう。牝系をさかのぼればアドマイヤグルーヴ、エアグルーヴ、ダイナカール。我が国の至宝とも言うべき牝系だ。もたれ癖が出世を阻む最後の壁だが、それとて母にも携わった込山助手は「賢すぎるからだろうね。自分の世界を持っている。そんなところはお母さんにそっくり」と話す。名牝の証しの一端なのだ。

 「中山の1200メートルはあまりいいイメージはないけど、いい状態で(ジョッキーに)渡せると思う」。勝てば大金星となるが、血統を見ればそれも納得‐そんな結末が待っているかもしれない。

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