【スプリンターズS】ハクサン加速

 「スプリンターズS・G1」(29日、中山)

 ハナは絶対に譲らない。サマースプリントシリーズ王者のハクサンムーンが、G1初制覇に向けて意気揚々。力強い最終デモで好気配をアピールした。

 追い切りラッシュが終わり、静けさが漂う午前10時前の栗東坂路。気性的な問題から、あえて他馬のいない時間帯を選んだのはいつものことだ。序盤はゆったりと入り、残り2Fから手前を変えて急加速。4F54秒8‐39秒3‐12秒1をマークした。見届けた西園師は「良かったですね。これでスイッチが入ったと思う。自分の競馬をすれば勝てるチャンスはある。気後れすることなくぶつかりたい」と鼻息荒く意気込みを語った。

 二の脚を生かして風を切り、しぶとく逃げ粘ってロードカナロアを撃破。前走・セントウルSでの大金星を振り返った酒井は「こちらが思っていた以上に成長している」と目を細める。「前走のカナロアは(斤量が)2キロ重かったし、ここに向けてきっちり仕上げてくるはず。今回こそがガチの対決。正々堂々、打ち負かしたい」。真夏の頂点に立った快速馬が、再び絶対王者をねじ伏せる。

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