【スプリンターズS】ボス封印を解く

 「スプリンターズS・G1」(29日、中山)

 初のスプリント戦にも不安はない。27日朝、グランプリボスは内田博を背にまずは栗東角馬場へ。入念に体をほぐし、じっくりと人馬のコンタクトを図った。坂路に移動後も、気持ちを乗せ過ぎないよう完歩、1完歩、感触を確かめながら登坂。4F102秒‐72秒3‐22秒4の超スローラップにも、折り合いを欠くことなく、落ち着いていた。

 栗東に滞在し、付きっきりで調整に携わった鞍上は「追い切り時計も出ているし、もうやる必要はないですから。こうしてゆったり走る方がかえってきついんですよ。行きたがっていなかったし、大丈夫」と、心身の充実ぶりに太鼓判を押す。矢作師も「角馬場でガスを抜いたのもあるんだろうけど、昔のボスにはこういうことはできなかったよな。内田(博)にずっと調教に乗ってもらった効果があったよ」と力強くうなずいた。

 引き当てた(1)枠(1)番にも、鞍上は「(1)番でも大丈夫。中山の千二は、外だと脚を使わされてきつい。むしろロスなく回れていい」と歓迎する。マイル戦を中心に使ってきたが、ここにきて精神面が成長。指揮官も「ずっと千二を使いたかったのを我慢していた。ようやくその封印を解く。どんなレースをしてくれるか楽しみ」と前を向く。マイルG1・2勝馬が豪脚を発揮して、スプリント界の勢力図を塗り替える。

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