「スプリンターズＳ・Ｇ１」（２９日、中山）

　サマースプリント王者・ハクサンムーンの枠順は（４）枠（７）番に決まった。逃げ争いが注目される(２)フォーエバーマークよりも外に入ったが、それでも作戦は「自分の競馬に徹します」と西園師。相手の出方をうかがっていては「１Ｆ９秒台は出る」というダッシュ力が生かせない。ロードカナロアを負かしたセントウルＳよりも状態が上がっている今、目標にされようが、王者との真っ向勝負を望んでいる。

　２７日朝はコースには入れず、平常心で戦えるように栗東角馬場で息を整え、体をほぐした。追い切りも含め、付きっきりで調教をつける田中助手は「生涯最高の状態です」と胸を張りつつ、一部でささやかれている“状態不安説”を真っ向から否定した。「坂路時計を見て、夏の疲れがどうとか、前走がピークとか言う人がいますが、全然、分かってない」と語気を強め、「前々走後は放牧でリセットして、ここを目標にやってきました。レース週に、やる必要がないくらい具合がいいんです」と力強くうなずいた。

　競馬史に残る名勝負となった９６年の阪神大賞典を引き合いに「４コーナーでカナロアがきて、直線ではナリタブライアンとマヤノトップガンのような一騎打ちで決着をつけたいです」と仕上げ人。前走の馬体重は、王者の前に３着と敗れた３月の高松宮記念から１６キロ増。たくましさを増したボディーが生み出すスピードを武器に、再び最強の敵を撃破してみせる。