【凱旋門賞】オルフェ圧巻5馬身先着
「凱旋門賞・仏G1」(6日、ロンシャン)
昨年2着の雪辱を期すオルフェーヴル(牡5歳、栗東・池江)はスミヨンが騎乗して、シャンティイのエーグル調教場、芝周回コースで4頭併せの最終追い切り。最後は馬と馬の間を割って一気に抜け出し、5馬身先着を決めた。フォワ賞をひと叩きして、上積みは十分。今度こそ頂点に立つ。
目の覚めるような鋭さだった。スミヨンを背にオルフェーヴルはエーグル調教場の芝周回コースで、僚馬のブラーニーストーン(せん6歳)など3頭を4馬身前に置く4頭併せを敢行。最後方でスムーズに折り合い、向正面から徐々にペースを上げ、ほとんど持ったままで直線へ。4頭併走の形になると、あえて外から2頭目に割って入った。鞍上から軽くGOサインが入りラスト300メートルで一気に抜け出すと、驚異的な加速力で圧巻の5馬身先着を決めた。
昨年は内によれてしまい、ゴール前で快挙を逃した。陣営はリベンジのために1年間準備をしてきた。総仕上げとも言える最終追い切りには(1)折り合ってリズム良く走る、(2)抜け出してから真っすぐ走り、後ろを気にせず突き放す、と2つのテーマを掲げていた。動きを見守った池江師から「トレビアン」と感嘆の言葉がもれたように、課題をきっちりとクリア。「折り合いもついて、抜け出したあともグイグイ伸びていた」と満足そうにうなずいた。
スミヨンもすこぶる上機嫌だったという。「ベリー・ハッピーって言って下りてきた」と指揮官。「彼は顔で分かりやすいんですよ。すごくいい状態だと話してくれました」。多くは話せなかったが、確かな手応えは伝わってきた。やるべきことは全てやった。「僕らにできることは、オルフェーヴルの状態を最高に持っていくこと。あとはスミヨン騎手に任せるだけです」と自信に裏打ちされたキリッとした笑顔を浮かべた。
「全てはオルフェーヴルが自分に勝てるかどうか。昨年は日本のファンを失望させてしまった。今年は本当にみんなで喜びを分かち合いたい」。夢がかなう瞬間をじっと待っている。