【凱旋門賞】オルフェ末広がり8番枠
「凱旋門賞・仏G1」(6日、ロンシャン)
ともに枠順はばっちりだ。枠順抽選会が4日、決戦の地となるロンシャン競馬場内で行われ、昨年は大外(18)番枠からの発走だったオルフェーヴルが(8)番枠、一方のキズナも(11)番枠と文句なしの枠順をゲット。また一歩、快挙達成に近づいた。なお、愛チャンピオンSの勝ち馬ザフューグが出走を取り消し、今年は18頭立てで行われることになった。
運命の瞬間は意外に早くやってきた。枠順抽選はまず馬名の書かれた紙をランダムに引き、その後に引いた番号がその馬の枠順になるというシステム。1番目にハヤランダの名が呼ばれ(17)番枠に収まった直後、抽選役を務める女子プロテニスプレーヤーのマリオン・バルトリの両手にオルフェーヴルの名が記された紙が広げられた。続いて黒いボールが拾われ、中の数字が読み上げられる。「ユイット!」。(8)番枠。ほぼ真ん中で全馬の動きを見ながら運べる絶好枠だ。
1年前は試練とも言える大外(18)番枠。事前に「さすがに昨年みたいな大外や、最内のような極端な枠は嫌だけど、どこを引いても、それに合わせてスミヨンと戦略を考える」と自然体を強調していた池江師。だが、一報を聞くと「内めで良かった。ほぼ真ん中で末広がりだね。運が向いてきた、と思っています」と安心した様子で思わず笑顔がこぼれた。
偶然にもスミヨンも“末広がり”という日本古来の言葉を用いて、満足感を漂わせた。代理人のパトリック・バーヴ氏によれば、電話で枠を知らされ、「うれしいね。日本では末広がりと言って、縁起がいい数字なんだろ」と話したという。それだけ日本を知り、日本を思うジョッキーは、改めてこの一戦への気合を入れ直したに違いない。
一方のキズナもチャンスの広がる枠をゲットした。(11)番枠もまた、周りの様子をうかがいながら位置取りを探れる好枠だ。佐々木師は「希望していた枠が当たった。内過ぎず外過ぎず、ちょうどいい。オルフェーヴルが(8)番枠なら、それを見ながらいけるでしょう」と明るく展望した。
今年の日本馬は枠順による試練を回避した。決戦まであと2日。いよいよ悲願達成の瞬間が近づいてきた。